インナーマッスルの種類

更新日:2021-02-05
インナーマッスルという呼び方はトレーニングやエクササイズの用語として使われることが多いですが、「インナーマッスルってどこにある筋肉?」と思う方も多いのではないでしょうか。
まず、筋肉は大きく2種類に分類されます。
外側から見える身体の表層部にある骨格筋がアウターマッスルと呼ばれ、ウェイトトレーニングなどで鍛えられる筋肉です。
それに対して、胴体の深層部で内臓を支えている筋肉をインナーマッスルと呼びます。
このインナーマッスルが衰えてしまうと、正しい姿勢を保つことができなくなったり、骨盤が歪んだり、内臓下垂になったりと身体へ与える影響が大きいことが分かっています。
今回は、インナーマッスルの種類やインナーマッスルを鍛えるメリット、インナーマッスルが衰えるとどのような影響があるのかなどについてご紹介します。
目次
- 2-1.腹横筋(ふくおうきん)
- 2-2.腸腰筋(ちょうようきん)
- 2-3.骨盤底筋(こつばんていきん)
- 2-4.菱形筋(りょうけいきん)
- 2-5.回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)
- 2-6.多裂筋(たれつきん)
6.まとめ
1.インナーマッスルとは
インナーマッスルとは、身体の深いところに位置する筋肉で深層筋のことを指します。
インナーマッスルは体幹筋のことを指していると思われがちですが、身体の奥に位置している筋肉の総称であるので、体幹筋(主にお腹周辺の筋肉)のことだけを指しているわけではありません。
体幹だけでなく、上肢・下肢の筋肉の深層筋もインナーマッスルに含まれます。
深層にある筋肉のため、見た目からは分からなく、直接的な確認は難しいインナーマッスルですが、関節や内臓の安定に働き、動作時にもアウターマッスルとともに働いて、姿勢の保持や動作のサポート、内臓の正しい働きを促すために作用しています。
2.インナーマッスルの種類
2-1.腹横筋(ふくおうきん)
体幹の深部の筋肉で、背骨や内臓を支える「コルセット」の役割をしています。
10代をピークに徐々に筋力が低下し、特に女性は出産を期に、加速度的に衰えてしまいます。衰えると猫背・腰痛・膝痛・肩首のコリ・お腹のたるみなど、さまざまなお悩みの原因となります。
2-2.腸腰筋(ちょうようきん)
腸腰筋は、骨盤と大腿骨をつなげて、骨盤のねじれや、回転をサポートしています。
歩くとき、足を上げるとき、姿勢を維持するのに重要です。激しい運動をするアスリートは、この腸腰筋がとても良く発達しています。
また、脊柱の自然なS字の湾曲を支え、お尻の筋肉を引き上げて骨盤を正常な位置に保ちます。特に高齢者は衰えると、筋繊維が顕著に細くなり、転倒などの原因になります。
2-3.骨盤底筋(こつばんていきん)
骨盤の底は空洞です。そこに骨盤底筋群がハンモックのように広がり、大腸、膀胱、子宮といった臓器が落ち込まないように支えています。尿道、肛門をギュッとしめる際に働く筋肉でもあります。
頻尿・尿漏れなどのトラブルは、この骨盤底筋の機能低下が原因となる場合が多いです。
2-4.菱形筋(りょうけいきん)
背部の深部の筋肉で、肩甲骨を背骨側に引き寄せる働きをする筋肉です。肩甲骨が背骨側に寄るので、胸が開けるようになります。
衰えると、肩甲骨が前に引っ張られ肩が前に出て丸くなってしまい、猫背の原因となります。猫背改善にはこの筋肉の動きを良くすることが重要です。
2-5.回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)
肩甲骨にくっついている、4つの深部の筋肉の総称で、肩甲骨だけでなく上腕骨にも作用する筋肉群です。別名ローテーターカフと呼ばれます。
肩甲骨の動きに関わる筋肉群ですので、衰えると肩が前に出やすくなります。また、五十肩や四十肩といった肩の痛みも誘発する筋肉群となります。
2-6.多裂筋(たれつきん)
多裂筋は背骨の深層筋で、小さな筋肉が連なって背骨を支えています。背骨を真っすぐ保つポーズでは常に働いて脊柱の安定性を保っています。
ブレない軸を支える強い背骨をつくる筋肉です。
3.インナーマッスルを鍛えるおすすめの方法は?
インナーマッスルはアウターマッスルに比べるとやや成長しにくいので、特化したトレーニングを取り入れるのが効果的です。
ウェイトトレーニング1つにしても、低負荷でゆっくり長い時間をかけて回数を重ね、刺激していくのがベストでしょう。
インナーマッスルを意識したエクササイズとしてはピラティスやヨガが有名です。
EMSトレーニングは効率的にインナーマッスルを鍛えることができる
EMSは運動が苦手な方、運動をなかなか習慣にできないという方、体力に自信のない方でも無理なく、筋肉に負荷を与えることができるのでおすすめのトレーニング方法と言えます。
また、EMSトレーニングは、体の専門家による「この人(この症状・お悩み)にはどのインナーマッスルを鍛えると有効か」という知識と計画があることがポイントになってきます。
参考記事:EMSと普通の筋トレってどう違うの?
4.インナーマッスルを鍛えるメリット
- 体温が上がり、効率的に脂肪が燃焼しやすくなる。
- 正しい位置に臓器を戻すことで、便秘が改善される。
- 正しい身体のスタイル・姿勢を保つことができる。
- 身体の深層部を流れる血流を良くし、手足の冷えを軽減する。
- インナーマッスルの衰えにより生じた、尿トラブルの改善。
■関連記事:インナーマッスルは何で鍛えた方がいいの?

5.インナーマッスルが衰えると体にどんな影響が出るの?
姿勢が悪くなる
インナーマッスルは身体を動かすというより、支える側の筋肉です。
主に腹部のインナーマッスルが衰えることによって、正しい姿勢を保つことができなくなり、姿勢悪化につながる可能性があります。
痛みが起こりやすくなる
肩周囲のインナーマッスルや骨盤周囲のインナーマッスルは、肩関節や股関節の動作に大きくかかわっています。
そのため、それらのインナーマッスルが衰えることで、四十肩や五十肩、腰痛を発症するリスクが高くなります。
排尿・排便障害のリスクが高くなる
骨盤低筋群が衰えてしまうと、尿道や肛門を閉める働きに影響を与え、将来、尿漏れや排便障害を起こす可能性があります。
出産後の女性に尿漏れが多く見られるのも、出産にともなって骨盤底筋群が緩んでしまうからです。
6.まとめ
今回は、多くあるインナーマッスルの中から代表的なインナーマッスルの種類をご紹介しました。
インナーマッスルの種類や役割を知っているとお悩みに応じて、鍛えるべきインナーマッスルが分かってきます。
インナーマッスルを鍛えると言うと、筋肉を付けたい人が鍛えるもの。と考えがちですが、健康な状態を維持するためにもインナーマッスルは重要ということを再認識できたのではないでしょうか。
